賢く選ぼう生命保険
〜死亡リスクと保険会社の旨味〜
Dr.イエローでは、今度は私から質問させてください。
梶え?その展開は、予定してないんですが(笑)
Dr.イエロー難しい質問じゃ、ありません。生命保険会社って、何を生業(なりわい)にしているのかご存知ですか?
梶はぁ?それは・・・生命保険を売って・・・保険金として支払わなくてよくなったお金が利益で・・・。
Dr.イエローいいえ。生命保険会社とは、実は投資会社なのです。
梶投資ですか?あぁ、例えば、なんとか生命ビル、とか、そーいうヤツですか?
Dr.イエローそうそう。そういうヤツです。投資会社とは何らかの手段でお金を集め、それを投資に回して利鞘を稼ぎますよね。保険会社の集金方法が、たまたま保険を販売しているだけで、「集めたお金を投資して、利鞘を稼ぐ…」のは投資会社と何ら変わりはありません。
梶また、大胆な発言ですねぇ。
Dr.イエローとんでもない。だって、生保を販売したお金で土地を購入し、ビルを建てて、テナント貸して・・・利益を得る。ホラ、投資会社ですよね。
梶いや、まぁ、そうですけどねぇ。まだ、少し頭の整理が必要です。
Dr.イエロー今、私は、集金の手段として生命保険を販売する・・・と言いましたが、実は売りたい商品、別に売らなくてもいい商品ってのがあります。
梶いや、まだ先程の話の整理できていないところで、畳み掛けて来ますねぇ〜。ま、でも、こっちの話題の方が、しっくり来ますね。つまり、儲けの多い商品と、そうでない商品がある、ってことでしょ?
Dr.イエローそうです。その通り。当然、売りたい商品は高利益の商品。・・・これは定期保険が該当します。
梶あ、さっきの話でしょ!95%の確率で生存している、ってヤツ。
Dr.イエローそうそう。身について来ましたね?保障期間が60歳満了の商品であれば、実に95%以上の確率で保険料がマルマル入ってきます。極論すると、5%のリスクヘッジだけすればいいのですから、保険料の大半を投資に充てることができます。
梶なんだか複雑な気持ちですね〜。だって、保険契約者にしてみれば、95%の確率で保険会社に支払った保険料を持って行かれるんですから。だったら、逆にお客さんが得をする保険って、何かあるんですか?
Dr.イエローそれは、つまり100%に近い確率で保険金を受け取れる商品を選べはいいのです。
梶あ、ちょっと待ってくださいよ〜。さっきの話では、終身保険、でしたね?
Dr.イエローそうそう、良い調子です。人は100%の確率でいつか必ず亡くなります。終身保険とは一生涯の死亡保障を謳っている商品ですので、いつか必ず受け取ることになります。加えて、こちらの商品には「解約返戻金」といい、保険契約を解除した時にお客様に戻ってくるお金があります。年齢と加入時期により返戻率は変わりますが、15年程度の払込期間で概ね100%のお金が戻ってきます。
梶じゃぁ、しっかり15年はガマンして、ということですね?
Dr.イエローいえいえ、この保険の面白さはここから。支払満了となると、お金が増えはじめます。
梶そうか、保険会社は投資会社ですもんね?
Dr.イエローそうですね。逆にお客様にとっても、保険を投資と捉え、「短期間で払込を終え、長期間増やす」ことができます。
梶そうか、そうなりますね。投資信託のように、お金を信託して増やしてもらう、そんな構図と同じですね。
Dr.イエローそうでしょ?例えば、祖父祖母世代から孫への贈与を10年間行い、このお金で契約者を孫、被保険者を孫、という終身保険に加入します。
梶え?ちょっと待ってくださいね。これが生命保険の頭がこんがらがる所なんですよ。えっと、孫がお金の贈与を受け、これを使って自分に保険をかけるんですね?
Dr.イエローはい、そうです。すると、孫が相続税の納税時期にあたる30〜40年後には1.5〜2倍に資産が増えるプランを組むことも可能になります。勿論、この資産は納税原資に充てるのもひとつの方法でしょう。
梶う〜ん、かなり長期間、お金を保険会社に預けて運用してもらう感じですね。
Dr.イエローでしょ?投資会社ですから。実は保険会社が入って欲しくない商品はコレなんです。
梶なるほどね。確実に運用益をあげておかないと、保険が支払えない、と。
Dr.イエローそうなんです。この保険をご加入いただいた場合、被保険者の死亡リスクに備えるお金とは別に、解約返戻金に充てるお金も別に積み立てる必要があるから、保険会社にとっては荷が重いですよね。
梶定期保険と終身保険保険、こんな事を聞くと、ちょっと保険会社がイヤな加入の仕方をしてやりたくなりますよね(笑)。
Dr.イエローそれでいいんじゃないですか?保険会社が儲かる商品、定期保険を選択する際には「同じ保険金でより安価な商品」を選べばいいんです。一方、消費者が儲かる商品、終身保険を選択する際には「より利率が良い商品」を選ぶこと、これが賢い保険の選び方のひとつと言えるかもしれませんね。